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コミュニケーションの力

  • polissa
  • 2021年2月27日
  • 読了時間: 2分

 仕事の帰りに、百貨店の食品街に立ち寄りました。催事のコーナーにあった蓬桜餅が珍しかったので2個とみかん大福を1個お願いしました。年配の女性の方が、お値段を提示する前に1000円札を1枚、トレーに置いておきました。お釣りが帰ってきたときに、明らかに多かったので「これ、2個分しか入っていないのではないですか?」と聞いてみたところ、「あ、すみません!」とお詫びをしていただき、もう1個分のお支払いをお願いしました。  そのやりとりを見ていた責任者と思しき男性が、「お兄さん、きっと今日は良いことありますよ!」と笑顔で声をかけてくれました。「長年、こうして生きていますが、四十数年良いことないし、結婚すらも出来ないですよ」と答えると、「私も結婚していません!」「結婚だけが人生じゃないですよ」と返してくれました。私は、「じゃ、今年はお互いに良い年にしたいですね!」と答えたところ、店員さんだけでなく、周りのお客様たちから笑い声が聞こえてきました。  他愛のない会話なのですが、ほんの一時、この空間にいた人たちに柔らかい空気が流れました。お買い物の楽しみは、ものを買うことやサービスを受けること、だけではないということを教えてくれるひとときでもありました。元は些細な会計の間違いから始まった会話が、いつの間にか周りの人たちを巻き込む。感染症により失われた、人と人のコミュニケーションをみんなが求めているのだろうと感じました。  感染症が拡大した昨年以来、感染リスクを避けるために、ものを手にする方法として、デリバリーサービスやネット通販などの非対面型サービスが格段に増えました。しかし、上記のような人との出会いや、心の交流はやはり人が運営する実店舗ならではのものです。特に、私が寄った百貨店は顧客の年齢層が高めなので、IT技術を用いた家族や友人との交流が出来にくい方々が多いのかもしれません。1年近くもの間、外出自粛が求められ、人と人の交流が希薄になっている状況ですが、感染症対策をしっかり行った上で、お客様の心に寄り添う接客が今こそ必要です。何気ない会話や、ちょっとした心遣いが、単にものを提供する、買うという以上にお客様の人生を豊かで有意義なものにするはずです。  あらゆる業種で、苦しい状況に置かれている接客の現場ですが、一人ひとりのお客様を大切にし、喜びや感動を提供することで、ファンを増やし、応援されるお店を作り上げることで、この感染症を乗り越えましょう。実際、私は今日もスタッフの方々に会いたくて、美味しい桜餅を買いに行ってしまいましたから。

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