亀の甲より年の功
- 山口 祐臣
- 2018年3月10日
- 読了時間: 2分
仕事帰りに寄ってみたのが 百貨店の名産物の催事。 確定申告の事務処理があり 一息いれるためのおやつを 探しに行きました。 傘や、包丁、籠細工から 食品サンプルまで。 人の手で作られた品々や 実際に作業する手仕事を 拝見でき、楽しいだけで なく、沢山の新たな知識を 得ることも出来ます。 一周回って目星をつけた お店で迷っていると、お店の 女性が声を掛けてきました。 「お兄さん、広告見た?」 YesかNoで返答出来る質問は 「クローズドクエスチョン」 と呼ばれています。一般的な 接客技術論では、接客が十分 なされ、決定に近い段階から 使い始めるものとされており このように、声掛けの段階か ら使うことは、良くないとさ れています。 この場合も「見ていない」や 「知らない」と言われてしま えば、話が終わってしまうケ ースが多いからです。 しかし、この女性はこの後が 見事でした。 私が「いえ、見ていませんが」 とお答えすると、満面の笑顔で 「見て見て!このチラシ。でっ かく載ってるでしょう?目玉な の。ご家族に言われなかった? ぜひ買っていって!」 仮に、私が見たと言っていたら 「美味しそうでしょう?」とか 「チラシの団子はこれですよ!」 と話を広げたでしょう。 つまり、YesでもNoでも会話を 魅力的に広げることが出来たわ けです。 最初に学ぶべき道筋として基礎 の対応方法が存在します。 しかし、経験を積むことで状況 や、お客様に合わせてセールス トークを巧みに変えて行くこと が出来ます。 とかく若い人が持て囃されがち な販売の世界ですが、多くのお 客様との接客経験を積んだベテ ランならではの接客技術には、 学ぶべき要素が沢山あります。 かくして、柴又のお団子屋さん のお団子を選び。寅さんの啖呵 売もかくやという、笑顔の絶え ない、巧みな話術のおかげで 美味しいお団子をおやつに頂く ことが出来ました。 週末です。おやつを買いがてら 人生の大先輩たちの素晴らしい 話術を聞きに行ってみては いかがでしょうか。

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