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誓い

  • 山口 祐臣
  • 2019年5月20日
  • 読了時間: 4分

昨日、アイドルグループNGT48の山口真帆さん、菅原りこさん、長谷川玲奈さんの卒業公演が行われ、公演終了をもって卒業されました。  卒業に至る発端は、昨年12月に自宅玄関でファンと称する男性二人に暴行の被害に遭い、山口さんが問い詰めると、犯人は同じグループのアイドルから帰宅時間を教えられ、自宅に行くよう唆されたというものでした。事件発生後、事務所側は法的措置に出るなどの行動に出ないばかりか、事件を隠蔽しようと画策しました。今年の1月になり、一向に進展しない事態に業を煮やした山口さんは、動画配信やSNSを利用して内部告発という形で真相究明を訴えます。ファンからの批判と、地元メディアを中心とした報道に押される形で、事務所側は第三者委員会を立ち上げたものの、運営会社や関係者と関係性の深い弁護士で構成され、記者会見も通常は第三者委員会の弁護士が行うところ、運営会社のスタッフにより行われ、肝心の調査報告書にて報告された内容も極めて曖昧で不透明なものでした。ネット配信された記者会見中継の際、山口さんから記者会見の内容に対してSNS上でリアルタイムで反論がなされ、それを記者が代弁して追求するという極めて異例の事態となりましたが、それ以降も運営会社側は明確な返答や具体的な対応を行うことはありませんでした。  その後、SNS上には同じグループ内のアイドルから山口さんへの、いじめをうかがわせるメッセージや動画が次々とあげられ、運営会社のみならず、同僚であるアイドルグループ内でも極めて不当な立場に置かれていた状況が知られることとなりました。事件発生後、数ヶ月を経ても一切、具体的な対応が示されないことに失望した山口さんと、彼女に同調した菅原さん、長谷川さんが一緒に卒業を決断することになったことがここまでの経緯です。  他のメンバーが不在で、3人だけで行われた異例の卒業公演にはそうした背景が存在しています。  今回の山口さんら3人の行動は、組織内のルールや常識的なモラルを守るべきだと訴えたもので正当な意見でした。その彼女たちが発した内部告発に対して、誠実に対応するどころか社長自ら「会社を攻撃する加害者」呼ばわりする始末。最終的には「卒業」という形で組織から排除される結果となりました。  客観的に見て異常な状況ではありますが、実は多くの日本企業において長年、繰り返されていることでもあります。組織内でのコンプライアンス違反などに内部告発を行なっても、上層部による事案の矮小化や隠蔽が行われます。反面、内部告発者は守られることなく、むしろ組織内で居づらくなり自ら去らざるを得なくなる。これは今回のNGT48で発生した事件と揆を一にするものです。  10代、20代の若い女性が夢見て懸命にアイドルという仕事を全うしようとした結果、正しい行為が報われず、組織を追われる。夢を見せるはずのアイドルという存在が、日本社会にて延々と繰り返される大人と組織の論理に翻弄されるという現実を見せつけられる。このような悲しいことはあってはならないことですし、彼女たちのファンに多くいる若者にとって「この社会は正しい考えを持ち、信念をもって行動している人よりも、要領よく立ち回り、悪いことが出来る人の方が結果として生き残るのだ」という誤ったメッセージを発してしまいます。

 高度に発達したネット社会による情報拡散性を理解した言動とグローバル化した世界を見据えた持続的社会を作るための貢献が、個人と組織に求められる現代。単に良い商品やサービスを提供するにとどまらず、組織の透明性と社会貢献に資する公益性が必須条件となりつつあります。 容易に答えの出ない社会問題や課題に直面するこれからの時代にこそ、高い倫理観と正しいことを正しいと言い、行動できる強い信念のある人がいる組織や社会が21世紀に生き残ると確信しています。  あらゆる団体、組織で発生している、いじめ、セクハラ・パワハラなどのハラスメント、不正や隠蔽行為の一切を容認しません。知識と知性、教養と倫理観を併せ持つ人材を育てること。人や自然を傷つけることなく、利他の心を持つ豊かな人材を育てていくことを、改めて宣言したいと思います。  最後に、山口真帆さん、菅原りこさん、長谷川玲奈さんに輝ける未来と幸多い人生が待っていることを心から願います。

 
 
 

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