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のれんの力

  • 山口 祐臣
  • 2019年4月5日
  • 読了時間: 3分

贈り物を探して、何軒も回ったものの良いものが見つからず。 ある百貨店の和雑貨コーナーを見ていたところ 「何かお探しですか」と声をかけられたそうです。 海外の方への贈り物であること。何を贈ったらいいのか わからなくなってしまったこと。せっかくだから日本らしい ものをと考えていることを伝えました。 ベテランの雰囲気がある店員の女性は、いくつかの品を 紹介してくださる中で風呂敷が気に入り。そのことを 伝えたところ「私はこのあたりがオススメですね」と、 数種類のデザインを提案してくれました。 そのうち一つのデザインが気に入り、手にとって 見ていたところ「こちらは色違いもあるのですよ」と 素早く持ってきてくれました。 見比べて「こちらが良いかなあ」と言うと、店員の方は 「そうですね、海外の方だとビビットな色使いの方が 喜んでいただけると思います」とお勧めしてくれたので その風呂敷を買うことにしました。 持ってきてくださった品は、包装紙の上から薄い布が かけられ包装が汚れないようにされていました。 ずっと悩んで決められなかったのに、考えていたことを 具体的に提案してくれ、私が思ってもいなかった品や デザインも紹介してくれることで、贈りたいものに

導かれるようにたどり着くことが出来ました。 あんなに気持ちの良い買い物は久しぶりでした。 これは私の母の話です。 帰ってくるなり、嬉しそうに話してくれました。 とかく包装紙代と言われる、基本的に定価販売の百貨店。 以前は品揃えの豊富さと、スーパーなどには無い高級品を 取り扱うことが他の小売業との違いを生み出していました。 しかし、ネット通販やリユース産業の台頭による消費者の 選択肢の増加により、「百貨店離れ」「百貨店の終わり」と いうタイトルの記事をよく見るようになりました。 しかし、本当にそうでしょうか。 自分が何を求めているのか答えが出なくて困っている そのような時に、いくつかの情報から提案をしてくれ 自分すら分からなかった答えにたどり着けた時の 喜びと安堵の気持ちは特別なものになるでしょう。 お客様に話しやすい雰囲気を心がけて会話をし、必要な 情報を多面的に多く引き出し。

積極的な提案をすることで、お客様に新たな気づきと 発見を提供する。 商品情報だけでなく、経験と知識に裏付けられた 自身の意見を伝えることで、そっと背中を押し決断を促す。 これこそがプロの販売員のあるべき姿です。 質の良い接客をするためには、幅広い知識と接客を 繰り返す中で得られた多くの情報、さらにお客様の話を 引き出す話術が欠かせません。 もちろんスムーズな接客のための、周囲のスタッフの サポートも必要です。 組織として築き上げ、先輩から後輩へ受け継がれた 接客技術があればこそ、快適なお買い物を楽しんで

いただけるのです。 ご自分やご家族、誰か大切な方への贈り物。 そうした誰かのための買い物を全力でお手伝いをする 「人を大切にする」心。 それこそが、まさに老舗百貨店の包装紙の真の価値 であると言えます。

 
 
 

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