リベラルアーツの時代
- 山口 祐臣
- 2018年3月29日
- 読了時間: 2分
随分昔の話ですが。 最初の訪仏で知り合ったフランス人の
友人と仲良くなり、数年後に初めて
自宅を訪ねた師走も近い日のこと。
部屋の暖炉の上に、ジオラマのような ものが置いてありました。 覗き込んでみると、左側に小屋があり キリスト生誕の場面が再現され。 右側には三人のローブを羽織った人物 が立っていました。 友人に「彼らは東方より来りし三賢者 ですか」とたずねたところ、驚いた表 情ですぐに笑顔になり「よく分かった わね」と言い。フランス語しか話せな く初対面であった、友人のご主人とも 一気に打ち解けることが出来ました。 これが「クレーシュ」と「サントン」 というフランス人にとって大切なもの であることを、私は後に知ることにな ります。 初めて出会う方との会話は難しいもの。 まして、異なる文化や生活習慣の方で あれば尚更のことです。 しかし、相手の文化を知っていたら、 その距離をぐっと縮めることが出来る ことでしょう。 何か決め事をする際も、単に合理的に 選択をすることと、相手の背景を知り 配慮をした上で決断することは、全く 異なるものです。 コンピューターでのデータ蓄積が進み 課題解決の判断のみならず、答えに至 る速度までも、その差が付きづらくな った現代。今後、AIが導入されれば、 多くの業務がAI化され、さらに違いは 無くなるでしょう。 それでもなお、人と人が共存し、人の ために仕事をする社会であることは変 わりません。 答えのない課題を解決し、他の企業や 組織と違いを生むものは、視座の違い。 多面的な視点を養う上でも、歴史や文 化、芸術、宗教を学ぶことは21世紀の 超成熟社会を生きる大切な要素となる のではないでしょうか。


























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