2017 WAF 6
- 山口 祐臣
- 2017年12月6日
- 読了時間: 3分
今回はディスカッション2回目の続きとなります。 先日、このディスカッションにも参加されている方の 企業の子会社での不正が行われていたという、非常に 残念な事件が発生しました。 これだけ見識のある発言をされる方が、トップに いながら不正が行われ、しかも外部から指摘を受ける まで公表されなかったという事実に、今の日本企業の 利益偏重、短期利益追及思考の病理の根深さを実感した 次第です。 そうした現状や、事実を踏まえた上で、それでも 輝きを放つ素晴らしい言葉が多く交わされます。 お読みいただければ幸いです。 日覚氏 株価上昇、株主利益の最大化が目的化して しまっている。 二階堂氏 コーポレートガバナンスコードの前文が妥協の 産物と化している。 1992年に英国で生まれた当時は、理念の追及、研究 開発、イノベーションを進めるためのガバナンスだった。 以下は公人ではなく、私的な見解だが、公器として 永続していくためにはどうしたら良いのか、自問自答 している。「我々は一体何者で、どこから来て、どこへ 行くのか。どういう世界を作って行くのか」 1985年に「心の豊かさを実現する、マーケティング カンパニー」という世に問うビジョン、世界観を高く 掲げて前進して行きたい。 日覚氏 炭素繊維の開発は、一朝一夕ではいかなかった。 ひとえに先見性があればこそ。社会に奉仕する姿勢を もち、新しい価値を通じて社会に貢献する。 こうした日本型の経営を、今一度見直すべきである。 二階堂氏 20~30代にどれだけ、取らないといけないリスクを 取ることが出来るかが、その後の人生を大きく左右 する。そのためには経験の場を提供する必要がある。 経験の場が無ければ、人を育てることが出来ない。 マネジメントが、いかに腹を据え、覚悟を決めて 場を提供することが出来るかが重要である。 多様な人材にどう活躍してもらうか。採用段階も 重要だが、採用後に海外成長企業に人材を送り込む なども良い。人材が成長することの威力を感じている。 起業家に弟子入りすることも良いのでは。 多様な人材との対話が不可欠。 リベラルアーツの重要性を認識している。 『(企業人として)高潔さがあるのか』 『野心は社中のためにできる人材なのか』 今年は、日経平均株価がバブル崩壊後の 最高値をつけるなど、好景気を感じさせる 報道もされていましたが、反面、名だたる 一部上場企業の製造業を中心に、品質管理 における不正行為が多発した非常に残念な 1年でもありました。 かつて日本の製造業は、「ジャパンクォリ ティ」と賞され、高い品質と安定した供給 を武器に世界を席巻しました。 それは、日本人が本来持つ生真面目さや 勤勉さといった、資質も影響していますが 以前の日本企業が持っていた、自分たちの 事業が、人々の生活を豊かなものとし、社 会を良くするという気概と責任感がそれを 作り上げていたとも言えます。
目先の利益を追うばかりで、その先にいる 消費者や社会のことを忘れた結果、こうした 不正行為が頻発したのではないでしょうか。 今こそ、改めて自我と私欲のためではなく お客様や社会の幸福と発展のために何が出来 るのか、考える必要があるのではないでしょ うか。


























コメント