真の社員教育とは
- 山口 祐臣
- 2017年2月1日
- 読了時間: 3分
各メディアで大きく取り上げられている
体調不良で休んだ、高校生のアルバイト から罰金を徴収したコンビニ店の件。
フランチャイズ店舗の行為は法令違反で
ある上、道義上も問題があることがはっ きりしていますので、さておき。
浮き彫りになったのは本部対応の問題点。
ここでの一次対応が間違っていなければ
全国的に知られるところまで大きな問題
に発展しなかったはずです。
高校生のお母様が、店長と直接話をして 解決しなかったため、本部のお客様相談 室に電話をしたところ「フランチャイズ 店舗なので関与していない」というまる で他人事のような対応をしてしまいまし た。 その結果、ご両親が労基署に相談し違法
であることを確認し、さらにSNSに投稿
した結果、大手メディアも取り上げるな ど多くの人の知るところとなりました。
この件でブランドイメージの低下は避け られず、ブラック企業とのイメージがつ けば、売上の低下に止まらず、コンビニ チェーン運営の核となるアルバイト募集 にも今後、大きな影響を及ぼす可能性が あります。
一般的なコールセンターは受電対応をす るスタッフと、それを統括するリーダー。
さらにその上長のマネジャーで構成され
ています。
今回のような複雑な件をスタッフのみで 判断し対応したとは考えづらく、リーダ ーかマネージャーに相談した上で返答し ているはずです。
にもかかわらず今回、対応に失敗した理 由はいくつか考えられます。
・何らかの悪意を持って対応する気がなかった
・問題を過小評価した
・そもそも問題という意識すらなかった
確かに契約上では当該フランチャイズ店 の問題であり、責任です。 対応マニュアルにも似た事例があればフ ランチャイズ店に問い合わせを促すよう になっていたと思われます。 しかし今回の場合、明確な法令違反が発生 しているうえ、高校生のアルバイトにペナ ルティを課すという、社会通念上考えにく い異常な対応という2つのシグナルがあり ながらみすみすそれを見逃し、杓子定規の 対応に終始しています。 彼らに法令に対する意識か、倫理観が備わ ってるか。ないしは「自分が高校生や親御 さんだったらどう感じるだろう」という他 者の気持ちを理解する心があれば。 このシグナルを見逃すことなく、担当部署 と連携し速やかに調査を行なっていれば、 最終的にとった「フランチャイズ店への指 導と返金指示とお詫び」という正しい対応 が出来ていたはずです。 恐らく、ここまでブランドイメージを毀損 する事態に発展しなかったでしょう。 以前であれば企業や雇用者側が強く、権力 を行使して事態の矮小化や隠蔽が出来まし た。しかしSNSが発達し、一般の方の発信 力は強くなりました。不当な出来事があれ ば、泣き寝入りすることはなくなり、一度 外部に発信されれば、その影響力は計り知 れないものとなっています。 マニュアルを整備して、その通りに運営す れば大丈夫、という時代ではありません。 ましてや不法行為や倫理に悖る言動を見過 ごすことは許されないものとなりました。 管理者はもちろんのこと、社員全員が高い 倫理観と企業が果たすべき社会的責任を理 解することが求められています。 CS=顧客満足度のみを追い求める時代は終 わりました。 これからはES=社員満足度を高め、豊かな 人間性を養うことも欠かせません。 リスクを回避し、企業がさらに発展するた めに、持続的で多面的な社員教育、つまり 人間教育が必要不可欠です。


























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