公共経済という思考
- 山口 祐臣
- 2016年7月27日
- 読了時間: 2分
昨日、発生してしまった悲しい事件。 徐々に検証が進みつつあります。 浮かび上がってくるのは、容疑者の 歪んだ公共性と障碍や高齢の方への 人的・経済的サポートの不足。 現代社会の歪とも言えます。 強いもの、結果を出すものが優れ 弱いもの、違うものは劣った存在。 社会的分断と異なるものを拒絶する考えが 生んだ一つの結果がイギリスのEU離脱で あることを踏まえる必要があります。 今朝、イギリス在住の友人から流れてきた タイムラインが、イギリスの大学 LSEの公共経済学教授ニコラス・バー氏の トピックでした。 なぜイギリス国民がEU離脱という選択を したのかということを分析しています。 文中のグラフにあるように、若年層と 高齢者の投票行動の違いに代表される 世代間格差に加えて。 ・ロンドンと地方都市 ・スコットランドや北アイルランド等の民族 ・高い学歴や技術を持つ人々と労働者層
こうした要素が投票行動に影響したと 分析しています。 グローバル経済の恩恵を強く享受するのは ロンドン近郊の資本家やビジネスエリートで 恩恵の裏側にある、移民流入や生産部門の 国外移転による痛みを受けるのは労働者層。 こうした経緯がグローバル経済の象徴たる EUへの敵意となって現れたと読み解いています。 具体的な対応策は以下の指摘をしています。
技術を高める職業訓練
最低賃金の向上
具体的な雇用対策
家族全体への支援
貧困家庭への住宅対策
公共インフラ、環境汚染、都市・交通、医療など 社会全体で取り組む問題を一部の階層のみで 解決できるものではありません。 安定した社会を営む上では、市場経済万能思考 ではなく、より理性的、知性的な公共経済という より広い視点が求められます。 歴史上何度も繰り返されてきた差別と階層化。 社会を分断しようとする思想には断固として 闘わなくてはなりません。


























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